2021-10-27

Tillandsia ionantha 'Sumo Size White'
ティランジア・イオナンタ ‘スモウサイズホワイト’

Tillandsia ionantha ’Sumo Size White' ティランジア・イオナンタ ‘スモウサイズホワイト’

この株はTillandsia ionantha 'Druid'としてタイから輸入されて安価に売られていたもの。でもこれは明らかにドルイドじゃない。RainforestFloraからTillandsia ionantha ’Sumo Size White'として販売されているものと同株だと思う。

ドルイドと比べると非常に大型/鱗毛が細かい/開花時の発色に赤みがない/葉の幅と長さの比が違うなど相違は明らか。確証はないけどスモウサイズホワイトはガテマラ産の系統だろうと思う(ドルイドはメキシコ由来)。

ドルイドとスモウサイズホワイトはどちらもイオナンタの白花変異という大きな共通点があるけど、それ以外の点ではむしろ全くの別物。ドルイドの可愛さやオレンジがかる発色と、スモウサイズホワイトの迫力や明るく透明感のある色合いは、美しさの方向性がまるで違う。両方を育てて比べることで、双方をより美しく感じられると思う。だから両者が一緒くたに「ドルイド」とラベルされて流通している現状はとても残念。

イオナンタの白花を一つだけを栽培するなら、自分はスモウサイズホワイトを選ぶ。純白の花と澄んだクリーム色の組み合わせがシンプルにきれいだし、何でも大きければ良いというワケではないけど、このスモウサイズホワイトに関しては大きいことが良い事だと思える。それに栽培環境をあまり選ばずきれいに発色してくれるのも長所(ドルイドは本当にきれいに発色させるには栽培環境に意外とうるさい)。

スモウサイズホワイトはタイで大量に生産されているようだけど、タイ生産のティランジアの一部は日本の気候への馴化に苦労することがある。輸入後1年以内くらいは良い状態に見える株があっさり枯れることも多い。写真の株も輸入直後の群生株(なんと500円という破格だった)を「1芽だけでも残れば儲けものかな?」と考えて購入したら、予想通り群生の大部分が枯れていき、一年後に生き残っていたのは本当に1芽だけだった。そこからさらに一年半の栽培を経て開花したのが写真の姿。