2022-09-22

Tillandsia ionantha 'Fire'
ティランジア・イオナンタ ‘ファイア’

Tillandsia ionantha 'Fire', ティランジア・イオナンタ ‘ファイア’ 

チェコのJanさんから入手したもの。前回の開花時には全草が真っ赤になって、まさにファイア!という感じだったけど、今回の色付きは緑色の部分も残った(相変わらず赤の発色は濃く鮮やかだけど)。

もしも、このイオナンタをラベル無しで見せられて「このイオナンタは何?」と問われたら、「フエゴだと思う」と即答する。それくらいフエゴっぽい外観。なので入手時にJanさんに「 'Fire'  はFuegoの選抜品種か?」と問い合わせたら「 'Fire'はFuegoではない」との回答だった。ただしお互いに英語ネイティブではない同士が英語でやり取りしたので、もしかしたら「Fire=Fuegoか?」「違うよ」というやり取りになっていたのかもしれない。

今までのところは、姿や育ち方のいずれもがフエゴに見えて、逆にフエゴとは異なる特徴を見つけられずにいる。開花期もフエゴ(秋から冬にかけて咲く)と一致している。個人的には、フエゴそのものではないとしても同系統なのは間違いないと思っている。


2022-09-02

Tillandsia ionanta に関する興味深い論文(2022−06公開)を見つけた。内容としては、各地で採集したイオナンタを遺伝子解析した結果をまとめたもの。出典などを明記すれば二次利用可な論文なので忘備録として要点をまとめた(誤訳や解釈の間違いなどあるかもしれないので、正確なことは下記を参照してください)。


--以下要約--
Tillandsia ionanta complex(ティランジア・イオナンタ複合群)には分子分類的には独立した8つの系統が内包されていた。
・8つの系統の内で形態学的にも分類可能なものは3つで、それぞれ T. scaposaT. vanhyningiiT. ionantha var. stricta である。
・形態学的に分類できない基本変種の T. ionantha にも分子分類的には5つの独立した系統が内包されていると認識するべきである。
 (平たく言えば T. ionantha は外観が酷似した5種の寄せ集め)
T. ionantha var. stricta を種に格上げして T. ramireziana を提唱する(新名称としたのは変種名である stricta がすでに別種に用いられているため)。
T. ionantha var. stricta forma fastigiata は 分子分類的に基本変種との差異は認められず T. ramireziana に含める。
T. ionantha var. maxima は分子分類的にも形態学的にも変種とするほどの差異は認められなかった。

形態学的には分類できない、基本変種の T. ionantha に内包される5つの系統は以下の通り
系統1: ガテマラからニカラグアの集団(T.ionantha var zebrina の産地も含まれる)
系統2: メキシコ北部大西洋側 ハルコムルコ、エル・イゴ、トリマン、エル・トロンコンの集団
系統3: メキシコ北部太平洋側 ポチョティタンの T. ionantha
系統4: メキシコ北部太平洋側 マタタンの T. ionantha
系統5: メキシコ中部太平洋側 ハリスコ、ピルカヤ、サント・トマス・デ・ロス・プラタノス、エル・プエンテ、ウアメルーラ(T. ionantha var. maxima を含む)の集団

T. ionantha complexに含まれる8つの系統は3つのクレードからなる。
クレード1: 系統1、系統2、T. ionantha var. strictaT. ramireziana)、T. scaposaT. strepotphyllaT. pruinosa と関連性が高いクレード。
クレード2: 系統3と系統4は系統発生的に他の T. ionanatha から分離されており、T. lydiae や T. variabilis と密接に関連しているクレード。
クレード3: 系統5と T. vanhyningii T. dasyliriifolia と関連性が高いクレード。
--要約ここまで--

以下は個人的な感想
・イオナンタの基本変種が多系統群だということはとても腑に落ちる。個体群によって開花の季節が異なることなど、色々と説明がつく。
・系統1=所謂ガテマラタイプだろう。葉の幅と長さの比や形状などで形態学的にも他の系統と区別して分類できそうな気もするが…
・メキシコタイプとされるイオナンタ(の大半)は系統5だろう。
・メキシコタイプとガテマラタイプは「まるで別種」だと感じていたのはある意味正しかった。
・ガテマラタイプと変種ストリクタは「異なるけど近い」と感じていたが、同じクレードに含まれるということで納得。
・今回の調査には’フエゴ’に相当する個体群が含まれていなかったようで残念。おそらく今回提案された8つの系統には含まれない別の系統ではないかと思うし、形態学的にも分類できると思うんだけど。
・分子分類的には変種ストリクタと品種ファスティギアータに差がなくても、形態に差があるんだから T. ramireziana f. fastigiata として残していいだろうと思った。
・Pamela Koideが「これは他のイオナンタとは違う」と考えて、変種ストリクタを記載したことの正しさが分子分類的にも裏付けられた形。Pamelaさんの洞察力すごい。
・翻って変種マキシマは…やっぱりそうだよね。
・やはりローカリティデータはとても大事。
・メキシコタイプ同士でシブリングした際は簡単に結実したのに、メキシコタイプとガテマラタイプや、変種ストリクタとバンハイニンギーを掛け合わせた時に結実しなかったのは当然の結果だったようだ。
・イオナンタ同士でも無闇矢鱈と交配して採れた種子からの株を単に「イオナンタ」としてはダメだ。
Tillandsia usneoidesも同様の解析をして欲しい(分布が広すぎて恐ろしく大変だろうけど)。
Tillandsia fasciata complexにも同様の解析が待たれるのだろう(けど個人的には興味がない)。 

2022-08-11

Tillandsia ionantha, Monstrose form
ティランジア・イオナンタ石化

Tillandsia ionantha, Cristate form  ティランジア・イオナンタ綴化
ネットオークションに綴化イオナンタとして出品されていた株を購入した時の写真。出品の説明文には「次々に子株を出すタイプの綴化」とあった。それって綴化じゃなくて石化では?と思いつつ落札。

購入時点では全ての芽が正常芽で、見た目にはただの小さな群生株だった(出品写真で見て承知の上で購入)。あと、めちゃ小さかった。


Tillandsia ionantha, Monstrosa form  ティランジア・イオナンタ石化, 'Monstrose'
しばらく栽培すると、小さな株なのに根元からボコボコと子株を出し始めて、その子株は極小サイズのうちから成長点の分裂を繰り返しながら成長した。


Tillandsia ionantha, Monstrosa form  ティランジア・イオナンタ石化, 'Monstrose'Tillandsia ionantha, Monstrosa form  ティランジア・イオナンタ石化, 'Monstrose'
2年経った今では正常株と石化株が混ざった群生になっていて、相変わらず根元からは次々と子株を吹き続けている。


Tillandsia ionantha, Monstrosa form  ティランジア・イオナンタ石化, 'Monstrose'
4つに分けてみた(すごく小さな芽も2つ取れちゃった)。それぞれの株が引き続きモコモコと子株を吹きながら育つのかどうか、大きめの普通芽はどう育つのか、今後の推移が楽しみ。

2022-08-09

Tillandsia ionantha, Monstrose form/Crested form
ティランジア・イオナンタ 石化と綴化

Tillandsia ionantha, Monstrose form ティランジア・イオナンタ 石化
イオナンタの綴化/石化個体には色々あって、綴化を継続する傾向が強い株から、部分により綴化も石化もする中間的な株、ほとんど綴化せず石化傾向が強い株まで様々ある。写真は綴化したり石化したりが混ざる株。

でもほとんどの生産/販売業者は綴化と石化の区別にあまり頓着していないようで、ラベルがCrestedとなっている石化株もあるし、Rainforest Flora Inc.が販売している'Monstrose'の多くが綴化個体だったりする。

写真の株は吊るして育ててボール状になり、下側の元気がなくなってきた。そろそろ割って仕立て直した方が良いっぽいけど、基本的には大株にするのが好きなので、下側が多少枯れ込むのは無視してこのまま育てるか、小割りにするか悩ましい。

割るにしてもできるだけダメージを少なく割りたいけど、普通個体の群生と違って、茎が帯状に入り組んでいて連結も強固だし、どこからどう割ればいいかも外観からは分かりにくい…困った。


Tillandsia ionantha, Crested form ティランジア・イオナンタ 綴化

こちらは葉がくねるタイプの綴化イオナンタのコルク付け株。小さかった頃はシンプルな形だったけど、もはやどこがどう育っているのか不明になった。割る時には苦心しそう。


2022-07-27

Tillandsia ionantha, Crested Guatemalan giant form
ティランジア・イオナンタ綴化
グアテマラ産 大型タイプ

Tillandsia ionantha, Crested Guatemalan giant form, ティランジア・イオナンタ綴化 グアテマラ産 大型タイプ 

グアテマラ産の大型タイプのイオナンタ綴化株が開花した。と言っても、花を付けたのは綴化部分ではなく株元から吹いた通常芽の部分。綴化部分の開花はありがたくないので一安心。


2022-07-24

Tillandsia usneoides, Straight form
クルクルしないウスネオイデス

Tillandsia usneoides, Straight form クルクルしないウスネオイデス

やや太めで全然クルクルしないウスネオイデス。ありそうで実はなかなか無いタイプ…と思う。


Tillandsia usneoides, Straight form クルクルしないウスネオイデス

ウチにあるウスネオイデスの中では一番増えにくい。あまり枝分かれしなくて本数が増えないし、先が伸びた分、根元が枯れる感じで、他のウスネオイデスよりも気難しい。あと、茎がちぎれやすくて、隣の株と絡まった時など簡単にブツッと切れたりするので、取り扱いにも気を使う。


2022-07-21

Tillandsia ionantha var. maxima
ティランジア・イオナンタ変種マキシマ

Tillandsia ionantha var. maxima ティランジア・イオナンタ変種マキシマ

変種マキシマは真っ赤にならずピンクっぽい発色が普通だけど、この株は特に色づきが淡くて黄色っぽい。たしか前回の開花時もこんな感じだったので、こういう個性なんだと思う。

2000年頃までウアメルラという名称でごく普通に売られていた、きれいな濃いピンクになる系統のものは見かけなくなってしまったな。

2022-07-20

Tillandsia ionantha var. vanhyningii
ティランジア・イオナンタ変種バンハイニンギー

Tillandsia ionantha var. vanhyningii  ティランジア・イオナンタ変種バンハイニンギーTillandsia ionantha var. vanhyningii  ティランジア・イオナンタ変種バンハイニンギーTillandsia ionantha var. vanhyningii  ティランジア・イオナンタ変種バンハイニンギー

バンハイニンギー(として入手したティランジア)が次々と咲いている。それぞれ別々に入手したものだけど、従来流通していたバンハイニンギーとはなんだか雰囲気が違う。大きめで、葉の反りが少ない株が多く、毎年か隔年で茎があまり伸びていなくても開花する、雄しべが未発達で花粉があまり無い、柱頭が妙に発達するなどの共通の特徴がある。それに従来流通していたタイプとは子株の吹き方も少し異なる。

変種バンハイニンギーの自生地の写真を見ると、結構いろいろな姿の個体があるみたいではあるけど、写真の「バンハイニンギー」は雄しべ雌しべが特徴的すぎるのが気になる…

変種バンハイニンギーと大型の基本変種イオナンタか、あるいは他種との交配で作出したものではないかと疑ってしまう…


2022-06-23

Tillandsia duratii var. duratii, Compact form
ティランジア・ドゥラティ変種ドゥラティ

Tillandsia duratii var. duratii,  ティランジア・ドゥラティ変種ドゥラティ

コンパクトタイプで濃色花のドゥラティ、咲き始めて3週間目で花ガラも目立つとは言え、まだまだ咲き続けていて綺麗。その間ずっと良い香りも放ってくれている。

通常、ドゥラティは花茎の節間が長くて側花穂がまばらにつくので、花もパラパラと散り散りに咲く感じだけど、このコンパクトタイプのドゥラティは側花穂がまとまってつき、花が密に咲くのも良いところ。

大型ドゥラティが醸し出す「迫力」が無い代わりに、省スペースで栽培できて、開花頻度も高いし(だいたい2年毎に咲く)、花時の見栄えも良いし、普通のフォームよりもこちらのほうが好き。


2022-06-10

Tillandsia ionantha, Small form
ティランジア・イオナンタ小型(?)

Tillandsia ionantha,  Small form  ティランジア・イオナンタ小型

この株をイオナンタの小型フォームとして入手した時は確かにかなり小ぶりだった。だけど世代交代ごとに株のサイズは大きくなって、今では「どちらかと言えば小さい方」という程度で、取り立てて「小型」ではないと思う。

「小型フォーム」というラベルには裏切られた気分だけど、濃いめの鱗毛や真っ赤には発色せずやや淡い紅色に染まる様子に、落ち着いた綺麗さがあってお気に入り。


Tillandsia ionantha 'Mini' ティランジア・イオナンタ ‘ミニ’

こちらはTillandsia ionantha 'Mini'として購入した株。これも世代交代ごとに一株のサイズが大きくなってる(購入元の説明でも「'Mini'として導入したけど割と大きくなる」とのことだった)。なんだか姿や大きさが上の写真の株と似てきたような?もしかしたら元を辿れば同一個体だったりして。



2022-06-05

Clematis 'Princess Diana'
クレマチス ‘プリンセス・ダイアナ’

Clematis 'Princess Diana'  クレマチス ‘プリンセス・ダイアナ’ 

シンプルで艶やかな花、よく育ちよく咲く。名花だと思う。

来年は色違いの‘エールフクシマ’と一緒に混ざって咲いてくれるはずなので今から楽しみ。


2022-05-31

Tillandsia ionantha var. stricta, Always red form
ティランジア・イオナンタ変種ストリクタ 銅葉

Tillandsia ionantha var. stricta, Always red form ティランジア・イオナンタ変種ストリクタ 銅葉

このイオナンタ変種ストリクタは葉が年中赤黒い銅葉。開花時は普段の海老茶色の葉からくすみが取れて全身が鮮やかな赤になる(写真よりも現物は鮮やかな赤)。


Tillandsia ionantha var. stricta, Always red form ティランジア・イオナンタ変種ストリクタ 銅葉

普段の海老茶色(下は別のイオナンタ)。



2022-05-26

Tillandsia usneoides, Brown flower form
ティランジア・ウスネオイデス 茶花

Tillandsia usneoides, Brown flower form,  ティランジア・ウスネオイデス 茶花

茶花として購入したウスネオイデスが初開花。茶みがかった暗緑色の花が咲いた。花色のばらつきは少ないっぽい。


Tillandsia usneoides, Brown flower form,  ティランジア・ウスネオイデス 茶花

黒花ウスネオイデスの中で淡い色に咲いた花(写真左)と、茶花ウスネオイデスの花(写真右)は区別しづらい。全体の姿もよく似ている。黒花と茶花は大元の出どころが近いのかもしれない。


2022-05-21

Tillandsia duratii var. duratii
ティランジア・ドゥラティ

Tillandsia duratii,  ティランジア・ドゥラティ

ホームセンターで買った小さな苗から育てたドゥラティが初開花。花色めっちゃ濃い。


Tillandsia duratii,  ティランジア・ドゥラティ

この株はあまり大型化せずに、ドゥラティとしては小振りなまま推移して開花に至った。

この株とは別に入手したドゥラティでも、この株と同じように小振り(ちょっと大きめのストレプトカルパくらい)で開花する濃色花の株を複数持っているので、大型で淡紫花の標準的なドゥラティとは産地違いなどの小型で濃色花の系統があるのかな?


Tillandsia ionantha 'Peach', 'Druid'
ティランジア・イオナンタ ‘ピーチ’、‘ドルイド’

Tillandsia ionantha 'Peach',  ティランジア・イオナンタ ‘ピーチ’

日当たりがイマイチな場所で残念な発色のイオナンタ ‘ピーチ’…


こちらはちゃんと色づいているけど群生じゃないから見栄えがしないし…


この株立で開花は一芽だけのイオナンタ ‘ドルイド’…今後の栽培に精進します。


2022-05-12

Clematis 'Yell Fukushima'
クレマチス ‘エールフクシマ’

Clematis 'Yell Fukushima', クレマチス ‘エールフクシマ’ 

ネット徘徊中に偶然に写真を見つけて一目惚れ。写真を見た5分後には注文を終えていたクレマチス ‘エールフクシマ’が届いた。チューリップのクルシアナを思わせる可愛らしさ。

ネット上で見られる写真と比べると、花被の内側の白さが際立っていなくて、アレレ?と思ったけど、これは開花時の環境に左右されそうかな。

‘プリンセスダイアナ’と混ざって咲くように育てるつもり。


Clematis 'Princess Diana', クレマチス ‘プリンセスダイアナ’

我が家に元からある‘プリンセスダイアナ’はまだ蕾。


2022-05-07

Tillandsia usuneoides, Black flower form
ティランジア・ウスネオイデス黒花

Tillandsia usuneoides, Black flower form, ティランジア・ウスネオイデス黒花

今年も黒ウスネが咲いた。


Tillandsia usuneoides, Black flower form, ティランジア・ウスネオイデス黒花

花色は結構バラバラで、毎年これくらいバラついている。個体差なのか状態の違いなのかは不明…というか、あまり気にしていなかったけど、咲き始めと咲き終わりで色が変わっているっぽいか。


Tillandsia ionantha, Close form
ティランジア・イオナンタ クローズフォーム

Tillandsia ionantha  Close form, ティランジア・イオナンタ クローズフォーム

普通のメキシコタイプのイオナンタの中から見つけた、葉を意地でも拡げないと決心したみたいなイオナンタ。ずっと竹箒か絵筆くらいにしか葉を拡げない。葉幅やサイズは普通のメキシコタイプのイオナンタと変わらない。

成長がちょっとゆっくりめな気がする。並べて育てている他のイオナンタよりも大きくなるのが少し遅い。葉を拡げない分、光を受ける量が少ないせいかな?


2022-04-17

Tillandsia usneoides 'Curly', Yellow flower form
ティランジア・ウスネオイデス 黄花

Tillandsia usneoides, Yellow flower form ティランジア・ウスネオイデス 黄花

「黄花だ」と言われて買ったウスネオイデスを咲かせたら普通の緑花だったことが今までに1度ならず2度までも…今回は3度目の正直。想像していた以上に真っ黄色の花だった。

花弁が幅広なこともあって、通常の緑花よりもよく目立つしカワイイ。香りも普通の緑花ウスネオイデスよりもマイルドで少し違う気がする。

これで我が家のウスネオイデスは緑花、黒花、茶花、黄花と揃った。あとはアルゼンチンに産すると噂で聞いたことがあるオレンジ花か…実際にあるのかな?


Tillandsia usneoides, Yellow flower form ティランジア・ウスネオイデス 黄花

でもコレ、本当にウスネオイデスなのか?花色の違いだけではなく、普通のウスネオイデスと形態的に明らかに異なる特徴がいくつもあって、T. duratiiT. streptocarpaぐらいの相違はあると思う。

ネット検索してみるとペルー産だとか、Tillandsia crocataとのハイブリッドじゃないかとか書かれていて、由来がよく分からない。

ウスネオイデスが片親の自然交雑種あるいは交配種である可能性はあるけど、入手した株にはシードポッドがたくさんついていて稔性はある。だから生産元では実生でも殖えていそうだけどクローンはよく揃っている。種間交雑であれば稔性がない可能性が高いし、稔性がある場合ならF2で形質がバラけて様々なクローンが混ざるはず。

それに交配による作出や、ナーセリーでの交雑で出現したなら、これだけ特徴があって観賞価値も高いのだから園芸種名が付与されて、繁殖初期の数が少ない頃には非常な高価で取引され、その経緯や出自も伝聞に残りそうなもの。

さらに、T. usneoides 'Yellow Flower'ではなく、主にT. usneoides 'Curly'として流通しているところも「山採品の入荷時に花がなくて黄花と気づかれずに葉の特徴で'Curly'と名付けられた」と考えれば辻褄があう。

考え合わせると野生由来の原種である可能性が高いんではないかと個人的には思うけど、採集地なり何なりの来歴がはっきりしていないのがとても残念。原種であることが明確ならばウスネオイデスとは別種、あるいは最低でも変種として扱うのが妥当と思える。


2022-04-15

Paeonia japonica
ヤマシャクヤク

 

Paeonia japonica ヤマシャクヤク
大好きなヤマシャクヤクが今年も咲いてくれた。

Paeonia japonica ヤマシャクヤク
元気に年々大株になってくれるのは良いけど、ワサワサと繁りすぎというか、山野草っぽい風情がない感じはある。ここ2年は施肥もしていないけど、秋に庭木の落ち葉が積もる場所なので土は肥えていて、ヤマシャクヤクにとっては居心地がいいみたい。

毎年、花柄摘みも採種もしていないので、周囲にはこぼれ種からの実生がポツポツと生え始めていて、あと数年すれば開花するものも出てきそう。

自生地でも手つかずであれば大群落を作っているんじゃないかと思う。一度は野生のヤマシャクヤクを見てみたいけど叶わないだろうなあ。

2022-04-10

Lachenalia aloides var. aurea
ラケナリア・アロイデス変種アウレア

Lachenalia aloides var. aurea ラケナリア・アロイデス変種アウレア
ベランダでラケナリアが咲いた。

15年ほど前に、深いポリトロの底に小さな穴を一つ開けて、赤玉+腐葉土を3 cmくらい敷いて、その上に軽石の細粒を7分目くらいまで満たして南アの小球根を数種植えた。その後は2階南側のベランダに放置して、潅水も施肥も、草取りすら一切していない。

ポリトロも劣化してボロボロだし、数年前に侵入したタンポポがのさばってるけど、植えた球根類の殆どは逞しく生きて、季節になると毎年開花してくれている。

2022-04-02

純血じゃないかも…

ティランジア・ストリクタ交雑?

めっちゃ濃色のストリクタが咲いた…と思っていたけど、開花から10日経っても花が終わっていなくて、ストリクタにしては花持ちが良すぎる。それに雌蕊が突出してきたのもストリクタらしくない。

交雑種の可能性が濃厚かもしれない。でも姿や触感などはほぼストリクタなワケで、片親の見当がつかない。


2022-03-26

Muscari macrocarpum
ムスカリ・マクロカルプム

 Muscari macrocarpum ムスカリ・マクロカルプム

マクロカルプムが絵袋入りの球根として出回り始めた頃、多分10年くらい前?に植えたムスカリ。2球植えて今も2球のまま、増えも減りもせず毎年決まって2本咲く。朝しか日が当たらないせいか、こうしてダラっとしてしまうのも毎年恒例。

この場所はカタクリとかはご機嫌に育つけど、ムスカリには日が足りないみたい。


2022-03-24

Tillandsia stricta, Deep color form
ティランジア・ストリクタ 濃色花

Tillandsia stricta, Deep color form ティランジア・ストリクタ濃色花

めっちゃ濃色のストリクタが咲いた。

2年前にRainforestFlora由来の普通のストリクタの中から葉がすごく黒かったので買った株。ウチの棚は日射が弱めなので、葉色は先端がやや黒っぽい程度になってしまった。

小苗だったので咲くまでに2年かかってしまい、しかもまだ体力が足りなかったのか花序の先半分くらいがシケちゃったけど、花色の濃さにびっくり。

ここまで花色が濃いとアエラントスあたりとの交雑を疑いたくなるけど、姿や触感などはソフトリーフのストリクタそのもので交雑を思わせる要素は無いと思う。


Tillandsia stricta, Deep color form ティランジア・ストリクタ濃色花

花苞の色も普通よりやや濃い。

次回の開花で花序がシケずに咲くのを見るのが楽しみ。


2022-03-19

Tillandsia ionantha 'Evolution'
ティランジア・イオナンタ ‘エヴォリューション’

Tillandsia ionantha 'Evolution' ティランジア・イオナンタ ‘エヴォリューション’
つい最近買った'Evolution'なるラベルの付いたイオナンタ。フィリピンのナーセリーから入荷したとのこと。海外ショップのサイトに'Evolution'の出荷元からの情報として「'Fuego'と'Rubra'の掛け合わせ」という記述があったけど、それは怪しいと思う(当の海外ショップも間違いだろうと書いていた)。


Tillandsia ionantha ティランジア・イオナンタ
こちらは5年ほど前の東京ドームラン展で購入したイオナンタ(ウチに来て2年目の写真)。並べてあった200〜300本の普通のイオナンタの中に、数本だけ明らかに雰囲気が違うのが紛れていたので買ってきた株。売っていたのはアジア系海外店舗だったのは間違いないけど店名は憶えてない。この株、‘エヴォリューション’とそっくりだと思う。


Tillandsia ionantha ティランジア・イオナンタ
2枚目の写真の株の最近の姿(水やりが少ない場所なので当初よりコンパクト化してる)。多分‘エヴォリューション’もこんな感じに育つんだろうと思ってる。


2022-03-15

紅梅の色

紅梅を強剪定した。ちょうど満開で切るのはもったいなかったけど。隣家にはみ出しているし、大きくなりすぎているので仕方ない。

紅梅って花だけじゃなく木質部も紅くて、シュレッダーにかけると紅いチップになってとても綺麗。初めて紅梅を強剪定した時には太めの枝を鋸で挽いたら桃色の鋸屑が出てきてビックリした。

あと、梅の枝をシュレッダーで裁断しているとクマリンの香りが漂ってきて桜餅を食べたくなる。

2022-03-11

Tillandsia ionantha
Crested Guatemalan giant form
ティランジア・イオナンタ綴化
グアテマラ産 大型タイプ

Tillandsia ionantha, Crested form ティランジア・イオナンタ綴化(クレステッド)

2015年にグアテマラで採集された大型タイプのイオナンタの中から見つかった綴化株。この株は時々ほんのりと赤くなる。そのたびに、開花して綴化終了になるんじゃないかとハラハラする。今回はわりと赤みが強い…低温で発色しているだけで開花の予兆じゃないと信じたい。マジで咲かないで欲しい。2年前に開花した時は幸い綴化が継続したけど。


Tillandsia ionantha, Crested form ティランジア・イオナンタ綴化(クレステッド)

写真で左右に出ている芽は一昨年の夏に開花した後に吹いた普通芽で、それなりの早さで育っている。でも綴化部分の成長はとってもゆっくり。

綴化や石化は成長点の拡張にエネルギを割くからか、普通芽よりも成長がゆっくりな傾向はある。けど、それにしてもこの株の綴化部の成長はずば抜けて緩やかに感じる。

2022-03-08

Tillandsia jonesii
ティランジア・ジョネシー

Tillandsia jonesii ティランジア・ジョネシーTillandsia jonesii ティランジア・ジョネシー
Tillandsia aeranthosと区別が付きにくいくらいに似ている。ウチの個体に関して言えば、花苞同士がやや離れていて花数が少ない、花弁が細長い、花穂が上向き、などがアエラントスとの外観的な違いに見えるけど、個体差もあるだろうし、見分けのポイントとしての確証はない…。まして花が咲いていない時は全然見分けられない。

丈夫でよく育つけど、芽数はわりと殖えにくい様子。

タイトルのカタカナ表記は「ジョネシー」にしたけど、献名されたJonesさんがどこの国の人なのか知らないので、もしかすると「ヨネシー」か「ホネシー」が正しいのかも?